肖家命名物語
林教授は古びた字典を持って近くに住む息子の家へ向かった。
嫁に出迎えられて、ソファに腰を下ろすと息子と娘を前に話し始める。初めて会った時、彼女をすぐ気に入り知れば知るほど林教授はこの嫁が好きになっていた。
しかも今時の子は少し綺麗だとスタイルに気にしてこんな早くに子供を産もうなんてなかなか思わない。
お義母さんは辞書を持って家に来て、ここへ来る途中でいい名前が考えついたと話す。
「肖宝貝 バオベイ(ベイビー)っていうのはどう」
微微は驚く。
林教授は得意げにいい名前を考えついたと思ってこの名前の由来を説明する。
林教授「この名前の中にはあなたの名字が入っていて、ひと目見ればあなたが産んだ子だってわかるでしょ」
微微「・・・」
林教授「肖奈。奥さんの名字を名前に入れたら妻想いだってすぐに分かるわ」
肖奈「・・・」
林教授はこの名前を考えれば考えるほどぴったりだと思える。しかし名前は一生ついてまわるので慎重にならなくてはと友人に電話で確認する。
林教授は興奮しすぎ、魂の抜けた状態の微微。
肖奈「俺、ちょっとゲームをしてきていいかな」微微「私だけ1人残してお義母さんの相手を」と睨みつけ「相応の態度を見せて。逃げられると思ってるの?」
肖奈は眉をあげ少し意地悪そうな様子で 「俺1人で作ったと?」
微微「・・・」
よくもそんなことが言えるわねと、微微は目で訴える。
肖奈 「奥さん まぁ怒るなよ。作ったからには責任はとる」
林教授は、電話を終えると男女どちらでも使えるから決めちゃいましょうと言う。
肖奈「駄目だ」
林教授がなぜ駄目なのかと聞くと肖奈は「同じ名前で知ってる人がいる」と答える。
微微と林教授は怪しみながら肖奈を見る。同名なんてありうる?
肖奈はそんな視線にもおかまいなしで話しを続け「俺はその名の知り合いが。昨日だって何度も彼女をそう呼んだ」
微微は大神はでたらめを言っていると断定する。昨日は週末で雨が降っていたから2人とも家にいた。何度も呼んだだなんて・・・
ちょっと待って!
肖宝貝、肖宝貝・・・小宝貝・・・宝貝・・・
ありえない!
微微の顔色は赤くなり青くなり紫に・・・そして大神の足は踏みつけた。
2人の頭の中とは違い、林教授は新たな名前を考え始める。
宝貝 ベービー
赤ちゃん、愛人、恋人、妻に対しての呼び方。
マイハニーという意味。
✳︎写真はイメージです。

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