蘭陵王妃〜王と皇帝に愛された女〜
(原題 蘭陵王妃)
©️中国 湖南衛視2016
「青鸞鏡を手にした者が天下を得る」との言い伝えにより、天下を狙う者たちが青鸞鏡を手に入れようと動き出す。
その鍵となるのは鎮魂珠。
鎮魂珠が北周 大司空府にあると噂が流れ、端木一族の唯一の末裔 端木怜は鎮魂珠を探す使命と愛する男のために密命を受け北周へ潜入する。
仮面でその美貌を隠したという将軍 蘭陵王の伝説をモチーフに蘭陵王と宿敵 宇文邕から愛され運命に翻弄されることになる端木怜の切ない愛を描いたラブ史劇。
キャスト
端木氏末裔 端木怜/元清鎖/張含韻
端木氏末裔 端木怜/元清鎖/張含韻
蘭陵王 高長恭/陳奕
北周武帝 大司空 宇文邕/彭冠英 北周虞州刺史 顔字敬の娘 顔婉/華嬌
北周大冢宰 宇文護/林韋辰
北周明帝 宇文毓/沈建宏
北齊名将 斛律光(明月)/張子文
北齊斛律光従妹(高長恭許嫁)鄭洛雲/王潔曦
北齊斛律光従妹(高長恭許嫁)鄭洛雲/王潔曦
天羅地宮四大護法 玄武護法
蘭陵王母 紫魅/北周大冢宰夫人 元氏/田麗
蘭陵王母 紫魅/北周大冢宰夫人 元氏/田麗
天羅地宮四大護法 青龍護法
小春城城主 諸葛無雪/劉帥良
小春城城主 諸葛無雪/劉帥良
天羅地宮四大護法白虎護法
天羅地宮四大護法朱雀護法
護国法師朱雀護法 顏婉師傅
紫魅徒弟 桃花/唐妤萌
妙無音/趙秦
天羅地宮四大護法朱雀護法
香無塵/張曉晨
護国法師朱雀護法 顏婉師傅
香無塵/孫志翔
紫魅徒弟 桃花/唐妤萌
北周武帝皇后 突厥 阿史那公主/傅穎
北周武帝母親 叱奴太后/李小燕
北周陳国大将軍 呉明徹/何潤東
北周宇文毓宮人岳宮人/齊冰
元清鎖侍女 碧香/尹淇
司空府管家 楚臨西/張曉謙
宇文護配下 金虎/龔海銘
宇文護配下 銀豹/王蕭寒
諸葛無雪書童 錦書/高凡
諸葛無雪書童 錦書/高凡
蘭陵郡王府侍女 風児/田小夕
蘭陵王護衛将領 杜将軍/李八鴻
あらすじ
紀元前221年 始皇帝は天下統一を果たす。
渤海で蜃気楼の街を目にした始皇帝は奇跡を信じて仙薬を捜させ、方士 陳吉に三種の神器を作らせた。それが鎮魂玉と離殤剣、青鸞鏡。
朱雀の魂を溶かして作った鎮魂珠。
隕石を精錬して作った離殤剣。
天下統一の秘密を封印したという青鸞鏡。
そして陳吉に天羅地宮を造らせた始皇帝は天下統一の秘密をその中に隠した。
三つの神器が揃えば天下統一の秘密が明らかに。地下宮殿には通路が縦横無尽に延び、数々の罠が仕掛けられていた。
紀元前210年始皇帝が急死すると端木吉は失踪。天羅地宮は闇に葬られた。
700年後。
西暦420年 中国は南北朝時代。北斉と北周との間では長年にわたる戦が続いていた。
天羅地宮と三種の神器は「青鸞鏡を手にした者が天下を得る」と言い伝えられ、時と共に存在するかも定かでない伝説となっていた。
いずれも稀代の神器。
手に入れようとして命を落とした者は数知れぬ。鎮魂珠と離殤剣を得るのは至難の業。しかし人々は天下を得るため、青鸞鏡の鍵となる鎮魂珠を探していた。
その鎮魂珠が周の大司空府にあると噂が流れる。陳吉(端木吉)の血を継ぐ端木一族の唯一の末裔 端木怜の使命は鎮魂珠を探すこと。
端木怜は一族の使命を果たし、愛する蘭陵王 高長恭の隣に堂々と立てる女子になるため元清鎖という名で北周に潜入。皇帝弟 宇文邕を虜にし、信頼を得て大冢宰 宇文護を手助けする任務を課せられる。
伝説となり語り継がれてきた三種の神器は存在していた。
鎮魂珠は見た目は真珠と同じ。その力は未知。
離殤剣は宝剣。天地を動かす力を持つ。
青鸞鏡は言葉どおり鏡。
しかし全てが謎に包まれている。
青鸞鏡は地下宮にあるらしい。だが宮殿が完成した夜 労働者と兵士は全て死んだ。伝説によると謎の疫病。宮殿を作った陳吉も死んだそう。だが陳吉の妹 端木易珠が鎮魂珠を持ち出した。陳吉の姓は端木。方術に優れた一族で陳吉は陳姓を名乗ることで暴虐な始皇帝から一族を守った。四人の侍衛が手を尽くし鎮魂珠を捜したが行方は分からず、怒った始皇帝はその者たち
の身体に烙印を押し誓いを立てさせた。
青龍、白虎、朱雀、玄武として代々天羅地宮を守ると。それが四大護法の始まり。
四大護法もそれぞれの思惑で動き出す。
北周は明帝 宇文毓の座を狙う宇文護。
北齊は恋人 端木怜を亡くし失意の中 美しい顔を仮面で隠し民を救い、戦場に立つ蘭陵王 高長恭。奸臣を重用し、蘭陵王を疎ましく思う皇帝 高緯。
端木怜は北周と北齊、国内の権力争い、四大護法の争いに巻き込まれていく。
端木怜は元清鎖と名前を変え、宇文邕に嫁ぐ。
元清鎖が嫁いできた矢先、刺客に襲われた宇文邕は元清鎖が刺客と通じているのではと疑う。
そして翌朝、宇文邕は元清鎖に嫁いできた真意を問い詰めるが、前夜 落ちてきた天蓋で頭を打った端木怜は全ての記憶を無くしていた。
夫に記憶喪失を疑われ、親切だった虞州刺史 顔字敬の娘 顔婉にも毒を盛られた元清鎖は持っていた手巾の解憂花の刺繍を手がかりに自分の故郷であろう斉へと逃亡を図る。
逃亡中、戦場に迷い込んだ元清鎖は蘭陵王に助けられる。元清鎖は助けてくれた蘭陵王に懐かしさを感じる。
一方、蘭陵王も自分の目の前で命を落とした恋人 端木怜に瓜二つの元清鎖に心を乱される。
[全47話]
この下からネタバレします。
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記憶を失くした端木怜は元清鎖として宇文邕に次第に惹かれ、宇文邕も元清鎖を愛し始める。
しかし端木怜は記憶を取り戻す。
全ては息子のために蘭陵王の母親 玄武護法 紫魅の策略により端木怜は恋人 蘭陵王と引き離され、蘭陵王は端木怜が死んだと見せかけられていた。
そして紫魅は青鸞鏡を手に入れ息子に天下を取らせようとしていた。
宇文邕を手に入れるため顔婉は天羅地宮の宮殿を開こうと画策し、60年に一度 地下宮殿の扉を開けられる日 青螺山に端木怜たちを連れて行く。
扉が開くのは一刻だけ。
一度閉まると次に開くのは60年後。
天羅地宮を開くには鎮魂珠と離殤剣が必要。
でも端木一族の血がなければが青鸞鏡を得る事はできない。門が開けば石龍の仕掛けが動き出す。石龍が吐き出した石珠が滝を転がり底に到達すると出口が閉まる仕掛け。そして天羅地宮はこの山と共に崩れ去ってしまう。
天羅地宮の仕掛けは端木一族が造った。端木怜がいる限り安全なはずだった。しかし狡猾な始皇帝は神器の盗難を予測し、仕掛けを一刻から半刻に造り替えていた。
端木怜、蘭陵王、宇文邕、顔婉が中へ入った後、紫魅は青龍護法 諸葛無雪から天羅地宮の門は半刻しか開かず、崩れ落ちると知らされる。
青龍護法に伝わる書には『天羅地宮の門は地獄の門』と書かれていた。半刻以内に出る事ができねば生き延びられぬと。その事は青龍にしか伝えられていなかった。青龍護法は四大護法の首領。他の護法より多くを知る。
三大護法が邪神を起こさぬよう秘密されていた。
宇文邕は天下より端木怜を選び、蘭陵王は端木怜のため天下を得ようとする。端木怜の血が青鸞鏡に流れ落ちると天下統一の秘密が明かされる。
端木怜は夫を誰かと共有したくないと蘭陵王を選ぶが、瀕死状態になった時 宇文邕の名を呼ぶ。
蘭陵王は端木怜を宇文邕の元へ連れて行く。
宇文邕の持っていた秘薬により端木怜は助かり、宇文邕と幸せな日々を送っていた。
北齊では『蘭陵王 高長恭は兵を率いて謀反を企てた。毒酒により死を与える』と詔が下る。
西暦573年5月
蘭陵王は高緯の下賜した毒酒により世を去る。享年31。
蘭陵郡王府 風児が北周へ文と指輪を届けに来る。
端木怜は文を読み、蘭陵王と鄭洛雲がこの世を去ったと知る。自分だけ幸せになれないと考えた端木怜は皇宮を去る。
息子が死んで気が触れた紫魅は街で物乞い同然になっていた。そこへ若い女人が来て手を差し伸べ町を去る。
蘭陵王の死から4年後。
宇文邕は兵を挙げ、北齊を滅ぼし二国を統一。
いくら探しても端木怜の消息は知れない。
周書によると西暦578年 宇文邕は突厥の討伐に向かい遠征途中で病のためこの世を去ったと。だがこんな話しも。戦地に赴く途上で宇文邕は気の触れた婦人を連れた若い娘に出会い病を口実にして去ったという。
斛律光は嵐の夜 蘭陵王の墓を掘り起こす。
斛律光は密かに毒酒をすり替え蘭陵王を仮死状態にし、人目を欺くため鄭洛雲は墓前で殉死を装った。
蘭陵王は死んだ。
高長恭は無憂谷へ。そこには花嫁衣装を身につけた端木怜が待っていた。
端木怜は三年も待っていたと言う。
ー完ー
蘭陵王 高長恭は北斉の文襄帝の四男。
564年 僅か五百騎で芒山の北周軍を破り洛陽陥落の窮地を救った。この時 蘭隆王は援軍を率いて城門に来たが守備兵は彼が敵か味方か判断できなかった。蘭陵王が兜を脱ぎ素顔を晒し開門させた。北斉の兵士達はこの勝利と勇姿を称え『蘭陵王入陣曲』という楽曲を作った。
この逸話から「美貌が兵士の士気を下げることを恐れ仮面をつけて戦っていた」という有名な伝説が誕生した。
しかし蘭陵王はその勇敢さと武勲ゆえに当時の皇帝から疎まれ、573年毒薬を賜りその生涯を閉じた。勇猛かつ美貌の名将として人気は高く『蘭陵王入陣曲』は唐時代に日本に伝わり現在でも雅楽の『蘭陵王』として愛されている。