白 華 の 姫
～失われた記憶と3つの愛～
（原題 白发）
©️中国 愛奇藝 2019
追っ手に追われた女は目覚めた時 西啓の皇宮にいた。目の前にいたのは西啓皇帝 容齊。
記憶をなくした彼女は嫁ぐのが嫌で逃げた西啓の長公主 容樂だと告げられる。
容樂は情勢を鑑み、北臨 第七皇子 黎王 宗政無憂との政略結婚のため北臨へ。
黎王から婚姻を頑なに拒否された容樂だったが、彼女の真の目的は西啓 皇帝 容齊のため『山河書』を手に入れる事だった。
「山河書を得る者 天下を得る」
と言われる北臨の前丞相 泰永が記した書。
各国の地形や街の様子、天然の要害、天文、地理、気象から戦の戦法まで網羅し兵書でもあった。
容樂は北臨における西啓の情報収集と間者の活動を隠蔽する “凧” の拠点の茶楼と名品を扱う唯品閣を商う攏月楼へ。
攏月楼 店主の娘 漫夭という仮の身分で活動する事になる。
キャスト
西啓 長公主 容樂／張雪迎
北臨 七皇子 宗政無憂／李治廷
北臨 大將軍 傅籌／經超
西啓 皇帝 容齊／羅雲熙
西啓 長公主 容樂
攏月楼 漫夭／張雪迎
北臨 第七皇子 黎王 宗政無憂／李治廷
西啓 皇帝 容齊／ 羅雲熙
北臨 大将軍 傅籌／經超
天仇門 痕香／陳欣予
西啓 容樂侍女 泠月／王嵛
西啓 容樂侍女 蓮心／鄒新宇
西啓 容樂護衛 蕭煞／高爽西啓 蕭煞 妹 蕭可／米咪
攏月楼 攏月／王純
攏月楼 沈魚／黃燦燦
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【第34話 ３つの菓子】
攏月楼 沈魚／黃燦燦
北臨皇帝 宗政允赫／劉錫明
北臨 皇太子 宗政筱仁／劉瀚陽
北臨 第九皇子 陳王 宗政無郁／ 書亞信
北臨 郡主 昭蕓／文竹
北臨 範陽王 宗政玄明／毛凡
北臨 無憂親衛 冷炎／倪寒盡
北臨 無憂親衛 冷炎／倪寒盡
北臨 傅籌親衛 項影／高廣澤
北臨 傅籌親衛 常堅／胡毅
北臨 中書監 孫継周／陸忠
北臨 孫継周の娘 孫雅璃／代文雯
北臨 無憂師兄 無相子／李思陽
北臨 皇后 苻鳶／田海蓉
北臨 太監／林申
北臨 公主府女管家 秋怡／王歌
北臨 吏部尚書 余世海の息子 余文杰／盧卓
宸國鎮北王 寧千易／徐可
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【第34話 ３つの菓子】
衛国大将軍 傅籌は妻 西啓 長公主 容樂が毒に侵され余命が三月と聞き、復讐を諦める代わりに自分を受け入れるよう言う。
しかしその夜 容樂に扮した天仇門 痕香と床を共にし、翌朝 返事をしに来た容樂に寝台に女人が寝ているのを見られてしまう。
容樂は私の余命はあなたに捧げても心は無憂だけのもの。夫婦になれても愛しあえない。縁は尽きたと立ち去る。
傅籌は痕香に激怒し、剣を向ける。
愛してるから。一生この顔のままでもいいと痕香は言う。本物を得られぬ代わりに偽物で我慢しろと？と傅籌は返す。
私を殺して気が済むならやればいい。天仇門に殺されるよりましと痕香は言う。
傅籌は顔の仮面を確認し、私でも見抜けぬ。少し整えれば宗政無憂とて騙されると言う。
傅籌は容樂に扮した痕香を利用するため、気を失わせ密室に閉じ込める。
天仇門門主 林申は密室に現れ、予想通り。この仮面をつけている限りあいつはお前を殺さぬ。我らの大計が成功した暁にはここから出してやると痕香に言う。
林申は傅籌とは別の計画を密かに進めていた。
皇宮。皇太子は酒に酔い、南境豪族 前中書監 孫継周の娘 孫雅璃に絡んでいた。
傅籌が止めると皇太子は私がおらねばそなたは兵権を有するだけの逆賊と威勢よく言い、伝国玉璽の箱を見せ、これさえあれば明日にでも即位出来ると言う。
傅籌は苛立ち拘束しろと命じ、無憂の部隊が迫る中 即位を焦ってはなりませんと皇太子の首根っこを掴んで言う。
傅籌が玉璽の箱の中を確認するが空だった。
傅籌は懐から孫雅璃が作った香り袋を出し、肌身離さず持っていた。得るべきものは手に入れたいと言う。
孫雅璃は私は将軍と生死を共にする覚悟と喜ぶ。
傅籌は孫雅璃を夕餉に誘う。
将軍府。西啓皇帝 容齊は静謐園に忍び込む。
容樂は人の気配を察し隠れる。
容齊は容樂の暮らしている部屋を眺めながら、容樂への想いを語る。 容樂は容齊の首に小刀を当てなぜ毒を盛り、自分を騙していたのかと問う。
容齊は容樂の好きな菓子を作り持参していた。
菓子の下の紙片にそなたへの約束事が書かれておると容齊は言う。
一つ目は桂花の菓子『明日 宗政無憂に会える』
二つ目は青梅の菓子『将軍府を速やかに離れられる』
黎王に会えても私は半月しか生きられない。悲しませるなら会わなくてもいいと容樂は言う。
三つ目は銀杏の菓子には『一年は憂いなく生きられる』と。
容齊は菓子を容樂に勧めるが、容樂は警戒し手をつけない。容齊は菓子を割り差し出す。自分が先ず口にし、容樂と半分ずつ食べる事にする。
容齊は今から言う事をしかと胸に刻み込むのだ。生きる事より大事なものはこの世に存在せぬ。朕はそなたの無事だけを何よりも願ってる。如何なる障壁でも数年後に振り返れば笑話に。絶対的な正誤や善悪で物事は判断出来ぬ。この菓子とて同じ。世の中も。北臨に嫁がされ恨んだだろう？でも困難を経て宗政無憂と知り合えた。そなたにとって最大の幸せと言う。
容齊も西啓皇后からの薬を飲んでおらず、咳き込む。容樂は気遣い茶を淹れる。
容齊は最大の幸せを得たいなら最大の困難に耐えるのだ。何があろうと人生を諦めてはならぬと真剣な面持ちで容樂に言う。
容樂は意識が遠のき、毒入りだったの？兄上も食べたはずと言う。毒入りではない。安心して眠れと容齊は返す。
容樂は意識を失う。
容齊は容樂を抱きしめ、今宵は嬉しかった。菓子を食べそなたと語り合えたと言う。
その頃 傅籌は孫雅璃と夕餉を共にしていた。
不安定な情勢を案じる孫雅璃に将来どの皇子が即位しようと私は力を尽くし北臨の民を守るのみと傅籌は話す。そして明日朝廷で見せ物が。一緒に見ますか？と誘う。
容樂は密室にいた。
容齊は兄を許せ。生きて欲しいと涙目で容樂を傅抱きしめ、密室に容樂を置いて立ち去った。
傅籌が来て容樂を痕香だと思い、無理やり薬を飲ませる。
第七皇子 黎王 宗政無憂が南境軍を率い城門で攻撃をと傅籌は報告を受け、ついに舞い戻ったかと言う。
臨安門。南境軍と城門を守衛兵が戦う。
第九皇子 陳王 宗政無郁も駆けつけ城門を制圧。傅籌は伏兵を置いているはずと黎王は警戒する。
黎王は容樂護衛 蕭煞から墨玉扇を受け取る。
『私か大義が選ばねばならない時はどうか躊躇しないで。この世の別れは来世での再会。もし何もかも決着が着き、また今生で会えるならなぜあなたを拒んだか説明する。会えなければ来世に期待する』と容樂は認めていた。
朝堂。北臨は窮地に。外からは他国に狙われ内からは逆臣が反旗を。国には君主が必要。御即位下さいと皇太子は進言され、謙遜しつつ早々に即位しようとしていた。
そこへ皇帝殺しの罪を着せられた黎王が現れる。
この逆賊を捕らえ、極刑に処すのだ。父上を殺し討伐を中断させ、都に攻め入り、皇宮を制圧すれば皇位を奪えるとでも？と皇太子は騒ぐ。
黎王は傅籌の証言を除き証拠が他にあるか？私はずっと南境に。皇太子は世継ぎでありながら父上の仇を討つ事より、即位を急ぐとは親不孝の極みと皇太子を非難する。
皇太子は私は父上に選ばれた皇太子と言う。
即位するには遺詔と伝国玉璽が必要。
皇太子は偽の遺書と伝国玉璽で即位しようとするが黎王は玉璽が偽物だと暴く。
そして私は皇位を奪うつもりなどないと黎王は朝臣達に告げ、父上が本当に皇太子に託したなら私は全力で補佐する。だが今の情勢と皇太子の行いは見ての通りと皆の意見を聞く。
協議する必要があると朝臣達は黎王に一任する。
傅籌が軍を率いて殿外に現れる。
やっと現れたかと皇太子は喜ぶが、黎王は皆ここにいるよう指示し、傅籌を捕らえに行くと朝堂を出て行く。
傅籌は殿外に用意した卓に座り酒を飲み始める。
黎王の背後には傅籌により妻子と離散し行き場を失った兵士が控えていた。
お前は氏族間の争いを嗾け、自ら平定し軍功を立てた。己の地位を固めるため戦乱を煽ったと黎王は言う。
傅籌は殿下は私に罪をなすりつけるのですか？
私は100名の隊長から衛国大将軍にまでのし上がった。戦場で長年 奮闘した実績は中傷すれば消えるものではないと返す。
お前は独断で己の軍隊を増強し、権力を手に。
兵士や民からの信頼を踏みにじり恥ずかしくはないのか？良心はどこに？と黎王は問う。
ーつづくー
